どうして「いただきます」と言うの?


 当園は寺院併設の幼稚園です。浄土真宗本願寺(お西さん)派になります。ですので、朝の集いの歌や食前食後にもなが~い『食前食後のことば』唱和して食事を摂ります( ;∀;)毎日繰り返すと満3歳児さんでも1学期末にはしっかり唱和できるようになります。この幼少期に園児から問われて困惑する言葉に、『どうしてご飯を食べる前に「いただきます」と言うの?』なんてことがあります。

 いきなり質問されると、幼い子ども(たまに大人もみうけられますが…)たちに平易な言葉で説明するにも、たどたどしくなっちゃいますよね…

「いただきます」は、これから食べるぞ!と言う合図ではありません。生命(いのち)に感謝する言葉です。日本にしかないすばらしい言葉と思います。私たちが毎日食べているものはすべて生命(いのち)です。牛、豚、魚、野菜、果物…どれをとってもみんな大切な生命(いのち)を持っています。私たち人間も含めてどんな生きものにも尊い生命(いのち)があって、その重さに変わりはないのです。むかしから玉子を食べると元気になる!(アレルギーの方は除きます)なんて言われますが…そりゃそうでしょ‼ 一つしかない生命(いのち)をまるまま、我が身に取り込むのですから…

 地球で一番高いところはエベレストの山頂(頂上)です。日本で一番高いところは富士山の山頂(頂上)です。富士山のてっぺん’(山頂)を富士の頂き(いただき)と言います。人の身体で一番高いところは頭のてっぺん(頭頂)です。古来から大切なものをもらった時は頭の上にかかげて感謝の気持ちをあらわしました。この所作を「いただく」と言います。そこから食事の前には手を合わせ、かけがえのない生命(いのち)への感謝あらわす言葉として「いただきます」というようになったと言われています。 食前食後のの所作は…やらばければならないルールではなく、我が身の存続のために取り込むべく、いただく生命(いのち)に対し、心がけるべき感謝と美しいマナーであり、日本人の文化であると思います。

 

浄土真宗本願寺派 保育連盟 まことの保育 引用